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30年以上経った受水槽は劣化している?!
~最小限の断水で施工できる受水槽更新工事の費用と実例~

建物設備管理事業 2024.09.03

暮らしの水を届ける貯水槽・受水槽、劣化していませんか?

工場や病院・介護施設、マンション、アパート、工場、デパート(商業施設)などの建築物に設置されている受水槽(貯水槽、高架水槽)。

受水槽といえば、建物内で使用する飲み水などの生活水を貯めておくための給水設備ですが、その建物の居住者・利用者は当たり前のようにその水に触れたり、飲む機会があります。
※ビル・マンションや製造業の工場・プラントなどにある受水槽は、水道水の貯水や供給を円滑に行うための重要な設備です。

しかし、長期間使用することで劣化が進み、様々な問題が発生する可能性があります。

今回は、受水槽更新の必要性や費用について詳しくご紹介します。

目次

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1.そもそも受水槽を更新する必要があるのか?

国交省によると、築40年以上のマンションは全国に約136.9万戸存在します(2023年末時点)。

10年後には約2倍、20年後には約3.4倍に増加する見込みで、その多くが設備の修繕や更新を必要とします。

出典:国土交通省
出典:国土交通省

これらのグラフからも、マンションの設備補修を行う必要性は年々高まっており、補修を怠ると生命・身体・財産に影響する問題を抱えるものが多いということが分かります。

設備の老朽化はマンションに限った話ではなく、高度経済成長期に建設された工場や病院、商業施設など、多くの建物が当てはまります。

受水槽はFRP製やステンレス製などの材質に関わらず、築30年以上経過すると取り替えや修繕が必要となってきます。

なぜなら、外壁パネルの継ぎ目やパッキンが劣化するからです。
いくらステンレス製で耐久性に優れていても、接合部分から水漏れすると、各戸に十分な水が供給されなくなったり、断水状態になるなどのリスクがあります。

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劣化度合いの目安

外壁の汚れ

最初に目に付くのが外壁の黒ずみや藻類の付着。生活用水が貯蔵されているので、見た目だけでなく、衛生的にも悪い印象を与えかねません。放置することで外壁パネルの劣化を進行させます。

パネルの継ぎ目からの漏水

初見では分かりにくいですが、よく見るとポタポタと水がしたたっています。こちらの受水槽は真冬には氷柱が何本もでき、周りの基礎が水浸しとなっていました。

内部の支持材の劣化

槽内には躯体を補強する支持材が入っている場合もあります。ずっと水に浸かっているため、支持材だけでなく、ボルトナットなどの固定部品もサビやすく、放置していると耐震性に影響します。

腐食による躯体の強度低下

長年、雨風にさらされると槽自体が劣化していきます。屋上など高所に設置されている高架水槽であれば最悪の場合、落下の危険性もあります。

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2.老朽化した受水槽を放置するリスクとデメリット

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(1)住人や利用者への影響

劣化した受水槽は、内部の腐食や亀裂が原因で汚れや細菌が侵入しやすく、水質汚染によって住人や利用者に多大な影響を及ぼす可能性があります。
健康被害や生活の不便、建物の損傷などが発生し、最終的には法的な問題にも発展しかねません。

健康被害

・水質悪化や異物混入により、異物を誤って飲み込むことで健康被害が発生
・食事や飲み物の調理に不安が生じる可能性
・カビの発生によるアレルギーや呼吸器疾患を引き起こすリスクもある
・水に臭気が発生

供給停止のリスク

・水漏れやタンクの破損が発生する可能性
・建物全体の水の供給が停止
・日常生活や業務に重大な支障をきたし、住人の生活の質が低下・生産ライン停止

住民・利用者の信頼低下

・受水槽の劣化による水質問題が頻発し、住民の施設管理者や運営者に対する信頼を失う
・住民や利用者からの苦情やクレームが増加し、管理コストが上昇する影響

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(2)水質汚染による法的トラブル

受水槽の適切な管理は、各種法律で義務づけられています。
受水槽の劣化や管理不備は法律違反につながる可能性があり、罰則や罰金が科されることがあります。
具体的には以下のような法律に関連します。

 水道法
安全で清潔な飲料水を供給するための基準が定められています。
劣化した受水槽からの汚染水供給は、この基準に違反する可能性があります。
(管理を怠った場合:懲役または罰金が科される)

■ 建築基準法
建物の安全性や衛生環境の維持が求められます。
受水槽を設置する際、受水槽の天井・底・周壁は建物の躯体と兼用せず、六面から点検作業が可能であるよう義務づけられています。

■ ビル衛生管理法(建築物衛生法)
正式名称「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」では公共の場での衛生管理が求められます。
劣化した受水槽による水質の悪化は、公衆衛生上の問題を引き起こし、法律違反となる可能性があります。
(行政からの改善命令などに従わない場合:30万円以下の罰金)

このような問題を解消するためにも、老朽化した受水槽の更新は必要です。
施設管理者としての責務を果たし、住民や利用者、従業員の安心と信頼を確保しましょう。

\ 貯水槽に関わる法律や貯水槽清掃については過去コラムへ /

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3.受水槽更新のススメ

(1)更新工事の施工計画

受水槽のサイズや材質にもよりますが、最短期間で完了できるようにご提案いたします。

22.5㎥ 1槽式の場合の受水槽更新施工フローを以下に記します。

上記施工フローをもとに施工期間の把握と調整や、影響範囲の確認と関係者への案内を行い、更新工事に伴う計画を進めることをおすすめします。

東産業は、全てのメーカーの受水槽に対応しているので、お客様の条件に合わせた受水槽をご提案いたします。
更新工事完了後、水道局への面倒な申請手続きも一括でお任せいただけます。

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(2)工事中の断水で生活や生産ラインに支障は出ないのか?

仮設タンクを活用すれば断水期間を比較的短期間にして施工することが可能

※右側が仮設タンク

既存受水槽の隣に仮設タンクを設置し、配管を繋ぎ替えます。
工事中は仮設タンクから各戸に給水するため、
「工事中にずっと水が使えず生活が制限される」
「生産ラインが長期間ストップする」
という心配もありません。

また、仮設タンクは設置後にしっかりと清掃・消毒を行います。
そのため、工事期間中も衛生的で安全な水をご使用いただけます。

敷地が広い場所であれば、その場所に新しい受水槽を設置し、配管の切り替えを約1日(施工中は断水状態)で行う場合もあります。

※工事の規模や仕様によって断水期間は異なります

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(3)劣化具合では更新工事以外の方法もある

一部のみが激しく劣化していて、そこだけ修理すればまだ延命できるような場合は、全て取り替える必要はありません。
例えば、パネルの外側のみが劣化している場合は、外壁塗装をすることで延命措置が可能です。

一度、専門業者に調査を依頼して劣化度合いを診断しましょう。
受水槽更新のサイクルを伸ばすことができるかもしれません。

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(4)受水槽更新は計画的に!実例で見る工期と価格の目安

ビル・マンションや工場における設備の更新・補修は、大規模であればあるほど費用がかかってくるものです。
受水槽の更新工事も例外ではありません。中長期計画の予算を確保したうえで、更新工事を行う必要があります。

それでは、受水槽更新の実例を2つご紹介します。

- 実例1.ビル・マンション A社様 (3階建、12戸) -

  • 材質:FRP製
  • サイズ:12㎥
  • 築年数:50年以上
  • 工期:約1週間
  • 金額:500万円 ※概算

- 実例2.製造業 B社様 (社員数:約300人) -

  • 材質:FRP製
  • サイズ:100㎥
  • 築年数:44年以上
  • 工期:約2カ月
  • 金額:2500万円 ※概算

※受水槽のサイズは建築申請上、建物ごとに定められています。そのため、既存受水槽と同じサイズを設置する必要があります。

以上の実例を目安にして、予算確保や工事計画を立てていきましょう!

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(5)トータルメンテナンスで適切な更新タイミングをご提案!

東産業では、貯水槽(受水槽・高架水槽)の定期清掃から修繕工事まで、包括的な「トータルメンテナンス」サービスを提供しています。
多くの受水槽の耐久年数は15年が一般的と言われています。
定期点検をお任せいただければ、経年劣化を見逃すことなく、適切なタイミングで計画的な修繕をご提案することができます。
更新や修繕後の維持管理やトラブル対応も、安心してお任せください。

お客様のマンションや工場の施設を、安全で快適な状態に保つために、私たちの専門チームが全力でサポートいたします。

受水槽・高架水槽更新のほかにも以下のようなサービスを行っています。

 貯水槽のトータルメンテナンスサービス一覧 

  • 清掃(機器の定期点検)
  • 劣化診断
  • 外壁塗装
  • ボールタップ取替
  • 給水タンク修繕・更新工事
  • ポンプ設備交換・オーバーホール
  • 配管補修工事
  • ライニング工事(部分補修・全面)
  • 新設工事

\ 貯水槽の事業紹介ページで詳しく見てみる /

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4.まとめ

受水槽の更新は、安心で安全な水の供給を維持するため、法令遵守やメンテナンスの効率化、水質保全といった多くの理由で必要とされます。

古い受水槽をそのままにしておくことは、様々なリスクを抱えることになりますので、定期的な点検とともに、必要に応じて更新を検討することが重要です。

東産業の場合、仮設タンクを設置することで、断水期間を短期間に抑えて受水槽を更新することが可能です。

お客様の事業形態によって提案できるプランはさまざま。
現状をしっかりと見極め、最適なプランをご提案できるようにしっかりとヒアリングを実施したうえで、計画から運用まで一生涯のサポートをさせていただきます。

劣化による受水槽の更新・補修工事は
お任せください!

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