建物設備管理事業 2021.11.22
様々な患者さんが来院し、治療のために入院されている患者さんが利用する病院や診療所。
高齢者の日々の生活をサポートしている介護・社会福祉施設。
どちらにも求められることは利用者が安心・安全・快適に過ごせる環境であることです。
特に衛生環境は、利用者にとっても最も気になるところ。
「不衛生」というだけで、患者さんの不満に繋がり、結果病院の評価も下げてしまう可能性もあります。
受付、診察室、入院病棟の衛生環境改善・強化する工夫はよく見られますが、あまり力を入れてないと感じるのがトイレの衛生環境です。
トイレは、不特定多数が利用する場所なので、衛生面が一番チェックされるポイントです。
今一度、トイレの衛生環境の改善を考えていきましょう。
また衛生面以外に一緒に考えていきたいのが利用者にとってどれだけ使いやすいかです。
いくら見た目がきれいになったところで、利用者が使いにくいのでは意味がありません。
まずは、利用者の「不満、不便、要望」を洗い出します。
利用者だけでなく、トイレ環境を管理する側(病院側)への要望も配慮しながら一緒に考えていきましょう。
衛生面のお困りごと | |
・タイル床で汚れが落ちない。汚れが目立つ ・床・壁紙などに臭いがこびりついている。(アンモニア臭が取れない) ・和式便器のため、汚れやすい。 ・男女兼用トイレのため、分けてほしい。 ・便器の素材・構造上、そうじがしにくい。 ・洗面台の水栓が回すタイプ(非接触でない)の蛇口で衛生面が心配。 | |
利用面でのお困りごと(使い勝手) | |
・入口が狭い、スライドドアでない。 ・段差が多く、滑りやすい、つまずき転倒の恐れがある。 ・バリアフリーではないため、車いすで使用するには、使い勝手が悪い。 ・オストメイトトイレがない。 ・子ども、障がい者、高齢者など利用者別で使いやすい設計になっていない。 ・身だしなみを整えたいのに、鏡がない。 |
ほんの一部をご紹介しただけですが、これだけ多くの「不満・不便」に繋がっています。
衛生面、利用面の2つの視点から、トイレの環境改善に取り組んでいきましょう。
では、先ほどのお困りごとに対して具体的にどういったポイントで衛生・改修工事を進めればいいのか?をご紹介していきましょう!
トイレ環境のヒントとしてご活用いただければ幸いです。
トイレの悩みで一番多くご相談をいただくのが「汚れ・臭い」です。
毎日使用している場所だからこそ、蓄積した汚れや臭いがいたるところに染みつきやすいのは仕方がないこと。
こまめに掃除しているのに…と気持ちが落ちることもありますが、掃除以外の理由もございます。
そもそも臭いの原因って何でしょうか?
【主な悪臭の原因】
①尿が飛散して、便器まわり、壁、床についている。
②洋式便器より和式便器の方が臭いのもとになるガスが残りやすい。
③水まわりに発生したカビ。
④排水トラップ・排水溝の詰まりにより下水臭が上がってくる。
⑤水漏れにより、壁紙・床材が劣化。
⑥トイレは通気性が良くない。換気が悪い。
一番厄介なのが「タイル」素材。
タイル目地が湿った状態ですと、カビ菌・雑菌・アンモニア臭などが染み込み臭気を発生。また排水口があるタイル床は、排水トラップから悪臭が上がってくるトラブルもあります。
掃除もデッキブラシでゴシゴシとこすって汚れを落とさないといけないため、掃除するにも一苦労…なんてことありませんか?
床材・壁紙の取替え
そのお悩みを解消する「床材、壁紙」を取換えることです。
例えば、クッションフロアにすれば、汚れた床も気軽に掃除でき、衛生面が格段にアップします。
臭いが染みつきにくい素材を使うと臭いも軽減されます。
臭い、汚れ対策以外にも、院内の雰囲気やコンセプトに合わせて床材、壁紙の色・模様を変えることでトイレ空間の印象がパッと変わります。
小規模工事ですので、比較的工期も短く施工できます!
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で非接触設備のニーズが高まってきました。
それに伴い、自治体や公共施設、学校、職場など多くの施設で自動水栓の導入が急増しています。
病院、社会福祉施設も例外ではありません。
不特定多数が使用する手動の水栓はレバーやハンドルを触ることで感染リスクが高くなり、それに対する対策を講じる必要があります。
感染対策に非接触設備をご紹介します。
タッチレス水栓やセンサー水栓など手をかざすだけで水がでる自動水栓は利用者が使いやすく、安心してご使用いただける設備です。
感染対策だけでなく、水の出しっぱなしの防止、節水にも効果的です。
洗剤の非接触設備「ソープディスペンサー」もお勧め!
オート開閉、オート便器洗浄、オート脱臭などオート機能が充実したトイレへの取替工事で、接触での感染リスクを最小限に抑えます。
開閉ボタン部分に手をかざす非接触でドアを自動開閉させる自動ドアもございます。
車いす使用者、高齢者などへの配慮にも繋がり、衛生面では、接触感染対策の効果が期待できます。
高齢者、内部障がい者、妊産婦、子ども連れなどの様々な人の利用を可能にしたユニバーサルデザインが施されたトイレが多目的(多機能)トイレです。
多目的・多機能トイレへの改修工事は、車椅子で余裕を持って方向転換できるスペースの確保・手すり、オストメイト向けの洗浄設備、おむつ替えシート、ベビーチェアなどの設置を備えること、あらゆる人に考慮を施したバリアフリー設計にする必要があります。
※多目的(多機能)トイレは、バリアフリー法、設置基準(ガイドライン)に基づき設計する必要があります。
出典:国土交通省ホームページ
●出入口幅は、車いす使用者の利用を考慮すると幅は80cm以上が望ましい。
●通行の際に支障となる段を設けない。
●自動的に開閉する構造その他の車いす使用者が容易に開閉して通過できる構造であること。
●その前後に高低差がないこと。
●車いす使用者が円滑に利用することができる。
●腰掛便座、手すり等が適切に配置されている。
●オストメイトのストーマ装具(パウチ)等の洗浄ができる水洗器具が設けられていること。排せつ物の捨てやすさ、高さ、形状などの配慮が必要。
※オストメイトとは?
がん疾患や事故などにより消化管や尿管が損なわれ、腹部などに排泄のための開口部(ストーマ(人工肛門・人工膀胱))を造設した人のこと。排せつ物を一時的に受けるストーマ装具(パウチ)をストーマ部位に装着しています。
●手すり、洗面器等を適切に配置した構造である。
●非常用呼び出しボタン、聴覚障害対応のフラッシュベルなどの緊急通報装置の設置等
※バリアフリー法は、設置条件は様々ですのでご紹介した条件はほんの一部です。設置基準や必要な工事内容については、ご相談時に確認させていただきます。
利用者のことだけでなく、トイレの衛生管理をする側の配慮も必要です。
トイレの掃除のしやすさが変わるだけで、清潔を保つことに繋がり、衛生環境が向上されます。
掃除がしやすい全自動トイレへの取替えをすることで、掃除の手間を省き、「清潔」を長く保つことができます。
水流、泡で汚れを落としたり、便器内の洗浄を自動で行うなど、各メーカーが工夫をこらしている全自動おそうじトイレ。
洗浄機能が付いた全自動トイレは、フタを閉めて水を流すため、菌が飛び散ることを防ぎ、流し忘れ防止にもなります。
衛生面、快適面の2つ以外にもトイレ空間の雰囲気を変えることも考えていきましょう。
いくら院内の雰囲気がおしゃれで明るくても、トイレだけ「全体的に暗く雰囲気が悪い」「古臭い」なんてことはありませんか?
壁紙や照明設備を変えるだけでも明るく、イメージを変えることができます。
最近では、便器もおしゃれなデザインが出ているので、デザイントイレのご提案も可能です。
トイレや設備を取替えるだけで、利用者が気持ちよく快適に使えるトイレになり、衛生面も強化され、より安心・安全にご使用していただける環境改善になります。
一式取り換える予算がない…という場合でも予算内で改善できる工事もご提案させていただくことも可能です。
別コラム「快適なトイレで社員モチベーション向上」
まずは、院内・施設内の声(使用者、管理者)を拾い上げ、ご要望をお聞かせください。
スペースを活用した設計でご要望に合わせた最適なプランをご提案いたします!
お客様の事業形態によって提案できるプランはさまざま。
現状をしっかりと見極め、最適なプランをご提案できるようにしっかりとヒアリングを実施したうえで、計画から運用まで一生涯のサポートをさせていただきます。
まずは気軽にお問い合わせください。
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