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老朽化した埋設管を取り換えずに延命!!
~非開削・耐震・防食の更生・修繕工事~

インフラ整備事業 2022.09.15

総合的判断で最適な修繕プランを選ぶ手段は?

これまで別コラムにて下水道管や埋設管の老朽化についての危険性をお伝えしてきました。

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予防保全や維持管理の必要性はご理解していただいているものの、予算や工期などお客様のご事情でなかなか対策を講じれないとお悩みがあると思います。
老朽化の進行状況や管の形状・管径、施工範囲は様々なので、単純に老朽化したから全部新しい管に取り替えれば良いというわけではありません。
それぞれの状況や施工箇所にあった最適なプランを選ぶ必要があります。

今回のコラムでは、「管更生・修繕工事」について掘り下げていきたいと思います。
更新工事との違いや施工の種類・工法があるのかを紹介いたしますので、今後のストックマネジメント推進や修繕計画の参考にしていただければ幸いです。

修繕計画を立てる前に工事の種類を知ろう!

皆さんは、「更新工事」「更生工事」「修繕工事」の違いをご存知でしょうか?
まずはそれぞれの工事の違いを知っていきましょう!

「更新」「更生」「修繕」工事の違いについて

  • 更新工事
    老朽化した排水管、下水管、埋設管を開削して取りだし、新しい配管に取り替える工事のこと。
  • 更生工事
    老朽化した埋設管を取り換えずに特殊な工法を施し、管の機能回復や機能維持に繋がる工事のこと。
  • 修繕工事
    管全体や広範囲な補修はなく、壊れている部分や劣化している部分など問題がある箇所の補修を行い、管の機能回復や機能維持に繋がる工事のこと。

では次に、それぞれの工事の特徴を比較してきましょう!

工事の特徴比較

 

更生工事

更新工事

工期面

●非開削なので工期が短い
●スピード施工の工法がある
●通行規制の影響が少ない
●通水でも施工可能
●開削なので工期が長い
●交通規制が必要

コスト面

●不良部分だけの施工なので安価 ●施工範囲次第で高額になりがち

強度

●耐震性の強い補強材を使用
●既設管の強化が可能
(耐酸性、耐アルカリ性、耐久性、耐衝撃
性、耐摩耗性、塩害対策など)
●耐久年数が伸びる
●耐震性に優れた配管へ更新できる
●安全性・衛生性が向上する

施工範囲

●形状や補修箇所に左右されず施工可能
●Φ100~Φ6000まで対応
※ただし、工法によって適用範囲は異なる
●補修管径に合わせた施工のため、適用範囲
に限りはない

それぞれの工事の違いや特徴を知っていただけましたか?
どうしても修復不可能な埋設管は「更新工事」の選択になってしまうのですが、部分修繕で事足りるケースもありますので、工期やコストなどを含むメリット・デメリットの部分にも考慮しながら、どの工事が一番最適かを総合的に判断してきます。

状況に合わせた工法選定をしましょう!

全面補修ができる「更生工事」から部分補修ができる「修繕工事」には様々な工法の種類があります。
管内の老朽化の進行度合いや環境によって大きく左右されるため、工法を使い分けます。

更生・修繕工事はこんな人にオススメです!

  • 埋設管が開削したくても開削できない場所にある
  • 工場や事業所の生産活動に影響がでる。生産停止ができない
  • 全面的な更新工事はできないが、部分的な補修をしたい
  • 予算を抑えた方法で修繕した
  • 管の耐震化を図りたい

更生・修繕工事をオススメする訳 

ニーズに応じた施工


形状や管径、施工範囲など様々なニーズに合わせた更生工事を取り揃えています。

非開削でスピード施工


非開削施工なので、開削を必要とする更新工事より工期は短く、経済的な施工が可能です。

管を取り換えず延命50

老朽化した既設管を取り換えない工法の施工で、強度を確保し、管の延命を図れます。
※周辺環境や使用状況、工法によって異なります。

耐震化と安全対策


ストックマネジメントの視点から、ライフライン確保や老朽化対策などに役立ちます。

更生工事の工法紹介

破損や腐食などで正常に機能しなくなった埋設管を、非開削で更生します。通常の下水管取替工事に比べ、工期やコストを低減することができます。管径や距離など、様々な状況に応じた工法があります。

ではどんな種類の工法があるのかご紹介していきます。

1.    オメガライナー工法
●Ⅰ類認定 適用資器材 ●スピード復元・コスト削減 ●取付管更生に対応 ●耐食性・耐震性の向上

Ω(オメガ)状に折りたたんだ形状記憶性能を持つ硬質塩化ビニール管を既設管内に引き込み、蒸気で加熱することで円形に復元。圧縮空気により既設管と密着させ強固な自立管を構築する工法です。
【適用範囲】
自立式タイプΦ150 ~Φ400 / 二重構造タイプΦ150 ~Φ450

2. アルファライナー工法
●スピード施工で工期が短い ●浸入水があっても施工可能 ●CO2排出量が少なく環境に優しい

既設管内にアルファライナー(更生材)を引込み、空気圧によって拡径し、既設管内面に密着させた状態で特定の波長の光を管口から順に照射して樹脂を硬化させる工法です。
【適用範囲】
Φ150 ~Φ1000

3. SPR工法
●あらゆる断面形状・管路に対応(円形、矩形、馬蹄(ばてい)形、曲線、大口径、段差、長距離) ●管路施設の耐震化が可能

帯状の硬質塩化ビニル樹脂を管の内側にスパイラル状に巻き付け、その間隙に特殊裏込め材を充填し、既設管路と一体化した複合管として更生する工法です。
【適用範囲】
Φ250~Φ6000 ※円形、非円形によって適用管径が異なります。

 

修繕工事の工法紹介

管路内の劣化進行は、周囲環境や使用状況によって様々。クラックやひび割れなどの部分的な破損箇所には部分補修を行います。既存管を残しつつ、耐震・防食・延命など機能回復・向上します。

1.EPS工法(小・中口径本管部分補修
●通水でも施工可能 ●短時間でスピード施工

ライニング材を巻付けたホイルチューブを既設人孔より管きょ内へ搬入し、必要な部分を非開削で補修する工法です。
【適用範囲】
φ100~φ800

2.FRP 内面補強工法
●本管更生(50 年仕様) と同等の高強度と耐久性に優れた工法 ●管きょの流下能力を損なわない ●補修する目的で補修材を選択可

補強繊維にビニルエステル樹脂を含浸した補修材を補修箇所に設置。空気圧により施工機(スリーブ)を拡径し、補修材を既設管に圧着した状態で硬化(熱硬化・光硬化)させて強固なFRP 管を形成する内面補強をする工法です。

【適用範囲】
Φ150
Φ1500

 

3.マグマロック工法
●管きょの耐震化 ●長期の高い水密性能(止水性向上) ●管きょの継手部分、マンホールと管きょの接続部に施工可能

耐震性を有しない既設管きょや、既設を短時間に耐震構造にする目的で開発された非開削耐震化工法です。ステンレススリー
ブと固定金具方式を組み合わせることにより耐震構造に改善します。

4.リメイクリング工法(更生管とマンホール接続部耐震工事)
●耐震化 ●管更生工法施工済箇所に耐震可とう継手を設置と管更生工法施工とあわせて耐震可とう継手を設置可能

非開削で更生管(自立管)とマンホールとの接続部に耐震可とう継手を取り付け、レベル2地震動を想定した更生管の抜出し・突出し・屈曲に対応する耐震化工法です。

5.クリスタルライニング工法
●あらゆる環境・箇所に対応(上下水道施設、管路、マンホール、農業用水路、地下タンクなど) 
●塗装箇所の補強に最適(耐酸性、耐アルカリ性、耐久性、耐衝撃性、耐摩耗性、塩害対策)
●長寿命化と耐震化

管きょ、排水ピット、汚水桝、側溝など強酸・強アルカリ・油脂などにより腐食したコンクリート壁面にライニング材でコーティング処理を施し、防食・止水・補強する機械を使用しない人力施工で補修する工法です。
防食ライニング工法、接着補強型止水工法、補強工法、マンホール耐震補強工法

6.PPSライニング工法
●さまざまな浸入水に止水効果を発揮 ●長寿命化 ●機能復元に効果的
●あらゆる箇所に対応可能(側溝、コンクリート建築物、水槽、人孔など)

老朽化、機能低下した農業用開水路・雨水排水路などに「PPS シート」を貼り付け、ライニング処理を行い、水密性や粗度改善など機能復元・長寿命化を図る工法です。

小口径(Φ150)から大口径(Φ6000)管路対応 !

こちらで紹介した工法は一部ですが、あらゆる状況に対応できるように選択肢があるのは嬉しいですね。

具体的な修繕プランを立てる前に…

修繕プランを立てる前に忘れてはいけないのが管内状況の確認です。これをやらないと計画が出来ませんし、工事も始められません !
TV カメラ調査などの管内調査で管内劣化の進行状況を把握していきましょう。

▼管内調査については下記コラムへ

まとめ

不具合や問題が発生してから行う「事後保全」は、リスクでしかありません。
管内の老朽化進行状況に合わせてリスク評価を行い、どこから修繕すれば良いのか「修繕のタイミング」を決めていきましょう。工場や事業所内の排水管・埋設管の長期的な修繕計画を考え、施設の安定的運用を実施していきます。

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お客様の事業形態によって提案できるプランはさまざま。
現状をしっかりと見極め、最適なプランをご提案できるようにしっかりとヒアリングを実施したうえで、計画から運用まで一生涯のサポートをさせていただきます。

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