水処理事業 2021.12.14
水中ポンプは、名前の通り「本体を水中へ入れ、その場の水を別の場所へ放出するポンプ」です。 例えば、池や地下ピットなどの低い場所に溜まった水、泥水や汚水を汲み出すために使用します。 基本的に電動で、設置さえすれば水をどんどん汲み出します。 弊社がメンテナンスを請け負っている排水処理施設にも多くの水中ポンプが利用されています。
今回は、排水処理施設と水中ポンプの相性についてご紹介します。
排水処理施設に必ず設置されているといってもいい「水中ポンプ」。 しかし、常に正常に動作するわけではありません。 排水や汚水の中には、ペットボトルキャップなどの固いゴミ、布や髪の毛といった繊維物が紛れていたり、汚水に化学薬品が混じっている場合には、詰まりや腐食などによる故障といったトラブルが起きてしまいます。
以下のトラブルに頭を悩ませている設備担当者も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
頻繁に起きるトラブル、何か原因があるのでしょうか?
業種によって排出される汚水は様々です。中には固形物が流れてくることもあります。 例えば、紙加工品製造業であれば繊維質の紙類が流れます。 その場合、繊維質の詰まりが起きにくい構造の水中ポンプを選ぶ必要があります。
詰まりや故障などのトラブルが頻繁に起きる場合、
汚水の種類とポンプの相性が悪いといった原因があることも…。
詰まりや故障のトラブルを回避するには、業種と排出物に合ったポンプ選定が重要となります。 ポンプの基本的な知識とともに、ポンプの種類を一部ご紹介します。
代表的なポンプの構造について説明します。
※代表的な機種について説明していますので、全てのポンプに以下の構造が該当するわけではありません。
万一、ケーブル外皮が破れたり、ケーブル先端が水につかった場合でも心線を伝ってくる水をシャットアウトし、モータ室内への浸水を防止します。
乾式モータのE種絶縁(またはF種絶縁)を使用しています。
耐摩耗性にすぐれた材質の二重メ
カニカルシールにより、モータ室
内への浸水を防止します。
それぞれの用途に適した羽根車を備え、必要に応じてバランス修正を実施します。
自動接続形の水中ポンプと吐出し管を接続します。
機械内で羽根車を回転させ、液体にエネルギーを与えて動かします。 継続した利用で多量の液体を運びます。
排水処理施設に必ず設置されているといってもいい水中ポンプですが、用途によって様々な種類があるのをご存じでしょうか? 一部をご紹介します。
ポンプの材質として主に以下の種類があります。
汚水の種類とポンプ材質の組み合わせによってはポンプが劣化しやすくなってしまいます。 「ポンプはちゃんと稼働しているのに汚水を吸い上げず、調査してみるとポンプと管を繋げているコネクションに大きな穴が開いていた!」 という事例もあります。
写真:コネクション部分に穴の開いたポンプ
ポンプ内には羽根車が設置されており、羽根車の形状によって汲み上げる力やゴミの詰まりやすさが変わります。
固形物には弱いが、繊維質に強い。羽の数や厚みで効率や揚程(汲上高さ)などが変わります。
繊維質に強く、固形物に弱い羽根車です。
大容量、大口径に適しています。
固形物の特徴に合わせた粉砕やカットができます。摩耗が激しいため定期的な交換が必要です。
材質や羽根車、他にも様々な要素の組み合わせにより施設との相性の良し悪しは変わります。「施設に合った水中ポンプの材質や羽根車を選ぶのは大変!」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 東産業では、お客様の業種・施設に合ったポンプ選定をお手伝いします。
水中ポンプの更新工事は、槽の中に入って施工が必要な場合もあります。 槽内の汚れ状況がひどい場合、工事業者によっては施工を断られることもあります。 また、槽内の吸引車での清掃、酸欠や硫化水素発生の危険性など施工に対し留意すべき点も多くあります。
右写真:錆で自動昇降が不可能なポンプ
水中ポンプが設置してある槽内は必ずしも安全とは限りません。 汚水などの状況により有毒ガスが発生している可能性もあります。そのため「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者」という資格を持ったスタッフによる指揮・監視が必要となります。
作業員の命を守るため、酸素濃度測定器・墜落制止用器具・避難用具、場合によっては可搬型換気扇も必要となります。
東産業は自社での施工部隊、吸引車、洗浄車、槽内作業に必要な安全具、資格者を保有し、ワンストップでスピーディな対応が可能となります。 「こんな悪条件だけど」という方が得意です! 豊富な施工実績でお客様の施設に合ったポンプの選定、提案が可能です。 もちろんポンプは国内全メーカー取り扱い可能です。
水中ポンプリーフレット
水中ポンプのトラブルにお悩みの方や、興味を持っていただいた方はぜひご覧ください。
リーフレットのダウンロードはこちらから!
ポンプが重いため、担当者で引き上げ点検・整備ができない。
配管及びポンプを樹脂製に交換。
ポンプ重量が約50㎏→約15㎏となり引き上げ労力が減少した。 そのため、女性によるポンプの引き上げも可能となった。
毎週のように繊維系ごみがポンプに絡まりポンプの引き上げを実施する必要があった。
ノンクロッグポンプからセミボルテックスポンプへ変更。
ポンプへのごみつまりが解消、汲み上げられた繊維ゴミはゴミ回収機(スクリーン装置)で除去され作業が非常に楽になった。
ポンプを更新しても毎回2~3年で漏電が発生してしまうが、外見上そこまで劣化しているように見えない。
調査すると温排水が入り水温が40℃以上あったためポンプ内部に湿気が入り漏電が発生しやすい環境であることが判明。一般的な鋳物製ポンプの対応温度は32℃までであるため高温対応ポンプに変更した。
設置後7年以上たっているがまだ漏電は発生していない。
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まずは気軽にお問い合わせください。
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