サステナビリティ 2022.08.29
前回は、川のはじまりについてお話しました。
山の湧き水が少しずつ大きくなって河川に流れていることを学びましたね。
今回は、「豊かな川や水環境を育むための森林の育成」について学んでいきます!
▼前回のコラムをふり返ろう!▼
次は、河川(かせん) のようすです。
川のはじまりの水は、たいへん透明度(とうめいど)の高い湧き水として山で生み出され、最終的に海に流れて行きます。
流れていく間に森林の河川を通るのですが、写真でも分かるようにたくさんの倒れた木=「倒木(とうぼく)」が邪魔しています。
全国的に林業で働く人が少なくなるなど山林の管理が進まず、台風や落雷、土砂くずれなどによって倒れた木々は撤去(てっきょ)にかかる費用(ひよう)を出すことが難しいため、多くの場所でこのように放置(ほうち)されています。
このような状態で再び雨が降ると、倒木は下流へと流され、最終的に海へと流れていきます。三重県の沿岸部(えんがんぶ)では海岸清掃(かいがんせいそう)が行われていますが、上流からこのように倒木が流され 続けると流木問題(りゅうぼくもんだい)の解決は難しいと言えそうです。
これまで、川のはじまりや森の現状(げんじょう)をみてきました。
SDGsの視点で今回のコラムをふり返ると、「森林の育成(いくせい)」と「倒木を上流で撤去すること」がとても大切なことだと分かります。
私たちにできることをくわしく考えてみましょう。
森林では、植えた木を間引きして密度(みつど)を調整(ちょうせい)する「間伐(かんばつ)」といった手入れをします。そうしないと木と木の間に日光が入らず、土の栄養が失われたり、土砂くずれの原因となったりします。
また、正しく木を伐らないと新しい木が植えられず、高齢の木々ばかりとなり二酸化炭素の吸収量が低下するなど、森林の持つさまざまなはたらきが低下してしまいます。
そこで、森林を元気にするため「木を植えて育てる→伐る→使う→植える→育てる」というサイクルを回していくことが重要です。
森林の育成にはお金 がかかります。森の育成に必要なお金はどうやって集めるのでしょう?
森林から切り出した木を使いやすい板の形に整え、 いろんな商品に加工した後、消費者に買ってもらいます。そこで得られたお金から森の育成に必要なお金を払うことになります。
最近は外国産の安い木を使用した商品を買う人が増えて、日本の森林は整備ができず、森林のバランスがくずれていき、どんどん元気がなくなっています。
日本の森林を育成し、「緑のダム」としての機能(きのう)を十分に発揮(はっき)させるため私たちにできることは、地域の森林から出た木材をを使った商品を買うこと、使うことです。
私もこのようなコラムを書く前から森林の問題について強い関心を持っていたため、「自宅で使う家具はなるべく地域の木材 を活用したものを」と考えていました。
わが家のダイニングテーブルは、鈴鹿川上流のスギで作られています。買ってから7年たちましたが、まだまだ現役です。
みなさんも今回のコラムをきっかけに、地元の木や国産の木を使った製品を買う、使うことから初めてみてはどうでしょうか?
森林の育成は私たちの水を守ることにもつながっているのですね。
「上流で困っていることは、上流で解決してね」ではなく、下流でもお手伝いできることがあれば、何ができるか考えることが大切だと改めて感じました。
みんなも山のこと、森のこと、川のことを考えて、少しずつでいいからできることからお手伝いしてくれると地球が喜んでくれるよ!
東産業では「自然環境との共生・共存」を企業としてどう取り組むべきかを一緒に考え、
これまで培ってきた技術と経験を活かし、持続可能な水環境づくりに貢献していきます。
その他の取り組みについてはサステナビリティ基本方針をご覧ください。
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