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不明水の原因は雨水管の誤接続!?
~企業が抱えるリスクと効果的な対策~

インフラ整備事業 2023.12.13

不明水問題は社会課題!

近年、企業が直面する課題の一つに「不明水問題」が挙げられます。
これは、施工当初には確認されなかった水の浸透や浸入水(漏れ)により、埋設されたパイプや配管に影響を及ぼす現象のこと。実は、40年以上も前から問題視されています。
不明水の原因は様々ですが、お客様からご相談をいただく不明水事例として以下があります。

  • 雨どい等、宅内配管の誤接続によっての流入(雨水が誤って汚水管に接続されている状態)
  • 敷地内に設けている排水設備の不良箇所からの浸入(老朽化した管きょの継手部分やひび割れ、破損箇所など)

その中でも特に多い事例が多量降雨時にマンホールから水が噴き出す(溢水)ことです
これは、汚水管に何らかの原因で浸入した雨水(※以下、雨天時浸入水)=不明水の可能性があります。

この問題は企業にとって様々なリスクを伴い、施設管理上の大きな課題となっているため適切な対策を講じることが必要です。
今回のコラムでは、不明水のリスクと対策をお伝えします。これから不明水対策に取り組まれる皆様のヒントとしてご活用ください。

不明水とは何か?

そもそも不明水が何に該当するかご存知ですか?不明水について少しご説明します。
公共下水道区域内でトイレなどで使用した生活排水(汚水)は、道路に埋設されている下水道管を流れ、下水処理場で浄化された後に川に戻ります。
この過程の中で、下水道管に浸入する雨水や地下水のことを「不明水」と呼びます。
「雨天時浸入水」は不明水の一部であり、流入経路によって①直接浸入水②浸透浸入水(雨天時浸入地下水)に区分されます。

①直接浸入水
…排水設備や人孔蓋の穴など地表面から流入
②浸透浸入水…地面に浸透した雨水などが目地、継手、損傷部などから流入

【補足】
公共下水道に排出するための排水設備は、汚水と雨水を分離した構造基準が法律によって定められています。
(下水道法施行令(排水設備の設置及び構造の技術上の基準)第8条第4項)
出典:e-Govポータル
 

不明水はどんなリスクを引き起こす?(リスク一例)

リスク① 維持管理コストの増加
処理する必要のない雨水が流入することで、下水道使用料の負担増加。
排水量増加に伴う排水設備の増築や埋設された配管等が腐食し、損傷するなど修復コストも増加。
リスク② 製品・機材の被害拡大
冠水により倉庫内や建物内の自社製品・機材の浸水被害が発生し、被害拡大や損失につながる。
リスク③ 従業員への安全配慮の欠乏
従業員の歩行や帰宅困難等が発生。(「労働契約法」が定める安全配慮義務)
リスク④ 公共排水への影響
不明水が地下水に流れ込み、地下水の水質悪化など地域の水環境に悪影響を及ぼす。
リスク⑤ 事業活動・運営の中断
パイプや配管の修復作業が必要な場合、事業の運営に影響が及ぶ可能性がある。
リスク⑥ 2次災害の発生
道路陥没、マンホール蓋の飛散、トイレから汚水が逆流噴出、土砂混入による詰まりなどの発生。

このような問題を解消するためにも、不明水を減らす・見つける対策が必要です。

不明水対策のポイント

不明水対策は、払拭(解消)というより、リスクを最小限に軽減することがメインです。
不明水の発生は、配管の状況だけが原因とは限りません。
設置場所の地形や状況、その他周囲の環境も大きく影響し、「完全に解消する」ことが困難な問題であるため、「悪いところを全て直す」というよりリスク評価を踏まえた保全計画「ストックマネジメント」の推進となります。

- まずは不明水セルフチェック! -

まず、現状を把握しましょう!以下のセルフチェックをして、思い当たる部分が2つ以上あれば、不明水が発生している可能性があります。

  • 雨天時に排水量が多くなる
  • 多量降雨時に溢水(浸水)が発生する(マンホールからの満水など)
  • マンホール蓋の飛散による2次災害が発生したことがある
  • トイレから汚水が逆流噴出したことがある
  • 管内によく土砂堆積での詰まりが発生する

 

不明水対策フローと調査方法

まずは、現状の運転状況や水量を把握したうえで、基礎調査、対策箇所の絞り込み(スクリーニング)、原因特定調査、対策実施、対策の検証という流れで進めます。

1.基礎調査(発生事象の把握)  
有収水量、汚水ポンプの運転状況(稼働時間や稼働回数等)のデータ収集、分析  
2.対策箇所の絞り込み(水位モニタリング・スクリーニング)  
現地調査を行い、圧力チップ(水量計)を仮設。排水設備の水量(日量ベース)を把握し、不明水の程度を調べる  
3.原因特定調査  
状況に合わせて、調査を行います。※調査種類は以下です。  

 

目視調査

マンホール人孔内や人が入れる管内など直接目で見ながら、管内状況や不良を確認し、調査します。

 

 

TVカメラ調査

管内を調査するためのカメラ車です。 遠隔操作でカメラを操作し、管内の異常箇所を調査します。
下水道管の他、工業用水、農業用水などの調査に使用可能です。

【適用範囲】幅広いサイズの管径に対応
Φ150mm ~Φ2200mm

 

 

 

管口カメラ調査

人孔内に高性能ズーム機能が付いたカメラを下ろし、管内を簡易的に調査します。

 

染料調査

専用の染色液を対象箇所に流して流下状況を観察し、調査します。

誤接続、流入経路調査、簡易流速調査、悪臭原因など、応用範囲の広い調査が可能です。

 

送煙調査

雨水、汚水の系統が正しく分離されているかどうかを発煙筒の煙を管内に送り込み、昇煙状況を確認し、誤接続を発見します。

4.対策実施  
不良箇所や状況に合わせて、対策を実施します。  

 管の誤接続改善(管交換)
□ マンホール蓋交換・蓋穴閉
□ 部分修繕、管更生、取り付け管布設切替
□ 排水処理規模を大きくする
□ 管用途別に配管を分ける(雨水・汚水・排水)
□ 拡径、バイパス、貯留、ポンプ排水工事による溢水改善
□ 不明管・桝の撤去や閉塞

5.対策の検証  
対策後には、必ず事後評価を行い軽減・改善されたかどうかの検証を必ず行います。  

不明水の程度を記載した「リスクマップ」を作成し、優先度を決めながら段階的に対策計画を立てることもオススメです。

まとめ

工場や事業所にある敷地内の排水設備(排水桝、埋設管、マンホール蓋、人孔など)は企業側での維持管理責任があるため、公共下水道と排水設備の維持管理の責任の境界を十分に理解しておきましょう。
埋設管の不明水は企業にとって潜在的なリスクですが、十分な予防策と早期の対応によって、これらのリスクを最小限に抑えることができます。

  • 維持管理コスト削減
  • 工場内の冠水抑制
  • 従業員の安全配慮確保
  • 2次被害防止  など

また、不明水対策は、「溢水・浸水対策」「陥没事故対策」にもつながるため、不明水対策を積極的に取り組みながら、安定した事業活動を確保していきましょう!
埋設管・下水道管の「不明水」でお困りの際はぜひ、東産業までご相談ください!

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